もしも既視感があるとしたら、日産『ジューク』あたり? コンセプトカー『デジール』が初出の新デザインテーマをもとに登場した、新型ルーテシアはかなりのチャーミングさだ。ディテールはかなり凝っている。が、コンパクトなボディサイズで普通なら煩雑&奇異になるところを“魅せて”いる。ドア下部のブラックパネルをボディ色化した場合サイドビューがどれほど“重たく”なるか興味があるくらいか。フロントの造形始め、大胆に膨らませたリヤフェンダー等、目障りどころか、目に心地いい。ボンネットの見切り線もシンプルでキレイだ。超個性的だが練られたデザイン。デザイナーのセンスと力量を感じる。イタリア、ドイツ系とも色味を微妙にズラしたボディ色も魅力的だ。内装の質感はほどほどだが、デザイン、色遣いでやはり魅せてしまう。インパネは全体に、“やや硬めのソフトパッド”が用いられている。今年9月23日までの成約では、室内随所に挿し色をあしらった特別なコーディネートも選べるという。後席のスペースは必要にして十分。ラゲッジスペースが深く実用的なのは、これまでのルーテシアと同じだ。走りも爽快だ。まだ下ろしたてのデモカー(広報車はまた別になるという)につき、全体がこなれてくるのはこれから…といった感触だった。けれどシトッ!としたタッチの乗り味にルノーらしさが感じられた。1.2リットルの4気筒DOHCターボ+6速EDC(デュアルクラッチ)は自然体のパワー感。乗車人数が増えても不足なしで、反対にECOモードは、明確にエンジン回転を抑え、早めのシフトアップに切り替わる。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
「今までのルノー車にはないデザイン」6代目となった新型ルノー『ルーテシア』、ファンの注目は“F1由来”の技術 2025年9月11日 ルノーは9月8日、IAAモビリティ2025において、新型『クリオ』(…