マレーシアン・インサイダーによると、マレーシア国内第2の離発着回数を誇るコタキナバル国際空港について、拡張工事にともなって計器着陸装置(ILS)が取り外されているなど安全運航に問題があると指摘する声が上がっているという。
野党・人民正義党(PKR)のダレル・レイキン副書記長は、ILSは改装工事が始まった数か月前に取り外され、現在は装置なしで離発着が行われている。サンフランシスコ空港で起きたアシアナ航空機の事故の際にはILSがスイッチオフになっていたとされ、事故との直接の関係は判明していないものの同様の事故がコタキナバル空港でも起こりうるという。
ILSが取り外されているため同空港では現在、VHF帯の電波を用いる航空機用無線標識である超短波全方向式無線標識施設(VOR)と航空機用の航法支援用二次レーダー設備である距離測定装置(DME)の併用で凌いでいる。
ダレル氏は、ILSが外されていることが離着陸の安全性に不安を生じさせているのに加え、航空機の遅延を招いていると指摘。さらに同空港では誘導灯の不備、雑草の繁茂による標識などの視認性悪化、ターミナル1と2を結ぶ外周道路を空港職員や燃料トラックの移動に併用されているなどの問題点があるとした。