格付け会社マレーシアン・レーティング・コープ(MARC)は、マレーシアや新興市場から資金が流出するリスクが高まっていると指摘している。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、経済回復を受けて現行の大幅な量的緩和を縮小する可能性があるためだ。
MARCのアナリストは、今年下期のマレーシア証券市場アウトルックにおいて、マレーシア政府証券(MGS)と他のソブリン債の利回り格差が縮小すると予想されていることから、投資家は先進国のソブリン債に注目する可能性があると指摘。FRBが量的緩和を縮小する可能性があるため、投資家は米ドル建ての資産への関心を増やしているとした。量的緩和の縮小を受け、海外の証券への投資が増えることが考えられるという。
今年第1四半期の時点で、発行済みMGSの47%を外国人投資家が保有、2009年の17%からは大幅に増加している。アナリストは、MGSや政府発行証券(GII)の債券発行額は今年900億-950億リンギとなると見込んでいる。