脱法ハーブ吸引の死亡事故、全国で初めて危険運転罪の適用を認める

自動車 社会 社会

昨年10月、脱法ハーブ吸引後にワゴン車を運転し、愛知県春日井市内で交通死亡事故を起こしたとして、危険運転致死などの罪に問われた31歳の男に対する判決公判が6月10日、名古屋地裁で開かれた。裁判所は危険運転罪の成立を認め、懲役11年の実刑を命じている。

問題の事故は2012年10月10日の午前7時40分ごろ発生している。春日井市高森台4丁目付近の市道(片側1車線の直線区間)で、自転車で道路を横断していた16歳の女子高校生に対し、交差進行してきたワゴン車が衝突。高校生は約17m先まで弾き飛ばされて全身を強打。収容先の病院で死亡した。

クルマを運転していた30歳(当時)の男は意味不明の言動を繰り返すなど、極度の興奮状態だったが、後の調べで脱法ハーブの吸引が明らかになり、警察は自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕したものの、検察は「薬物影響で正常に運転できる状態ではなかった」と判断。危険運転致死罪で起訴していた。

これまでの公判で被告弁護側は「被告には脱法ハーブ吸引が運転に危険を及ぼすという認識が無く、事故は過失によって生じた」と主張していたが、10日に開かれた判決公判で、名古屋地裁の松田俊哉裁判長は「被告は事故前にインターネットで脱法ハーブ吸引の影響について検索したり、使用していた知人から吸引後の状態について話を聞くなどしており、正常な運転が困難になることは認識していた」と指摘。弁護側の主張を退けた。

その上で裁判長は「脱法ハーブ吸引が大きな社会問題となっており、飲酒運転よりも悪質である」として、被告に対して懲役11年の実刑判決を言い渡している。脱法ハーブ吸引を主因とする死亡事故で危険運転罪の成立を認めたのは今回が全国でも初のケースとなる。
《石田真一》

編集部おすすめのニュース

特集