JAXA、はやぶさが採取した微粒子サンプル研究公募の結果を発表

宇宙 科学

「はやぶさ」が採取した小惑星イトカワ由来の微粒子。
  • 「はやぶさ」が採取した小惑星イトカワ由来の微粒子。
  • 小惑星探査機「はやぶさ」。このイラストは、世界中が泣いた、地球が半分だけ写った大気圏再突入直前の地球ラストショットのタイミングをイメージしたもの。
  • 小惑星イトカワ。画面中央右寄りの滑らかな部分は、「はやぶさ」を打ち上げた内之浦宇宙観測所にちなんで「ウチノウラ(Uchinoura Regio)」と名付けられている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月31日、第2回「はやぶさ」サンプル国際研究公募(国際AO)の結果についての発表を行った。

「はやぶさ」とは、もちろん小惑星探査機のことだ。「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子サンプルについて、昨年行われた第1回に引き続き、2013年1月から3月まで行われた第2回国際AOの選定結果が発表された。

国際AOの目的は、世界の研究者から研究提案を募り、レベルの高い研究成果が期待できる研究者にサンプルを提供することで、「はやぶさ」プロジェクトの科学的成果の最大化を図るというものだ。

そして国際AOを通じて世界の研究者にサンプルを提供することにより、世界の惑星科学の発展に貢献するとしている。

審査方法は、世界中からの研究提案に対し、国内外の有識者により構成された「第2回「はやぶさ」サンプル国際AO委員会」を通じて審査を実施し、優れた研究を選定したという。より詳しくは同委員会が研究提案に対する海外30名、日本2名の査読者を指名し、評価を実施した。

選定結果は、合計129名(日本83名、海外46名)の研究者より提案があり、その中から18件の研究提案が受領され、その後に査読者32名による評価結果を委員会で審議、最終的に16件(粒子43個)が選定された。内訳は、国内が9件で海外が7件。6月以降に採択された研究者への粒子の分配がスタートするスケジュールだ。また、2014年1月以降に第3回国際AOの公募が開始される予定となっている。

採択された研究内容は、以下の通り。

日本国内研究機関所属研究者
・Arnold Gucsik研究員/東北大学「蛍光およびラマン分光による、衝撃変成履歴の解明」
・小松睦美助教/早稲田大学「イトカワ粒子の変成度合いおよび母天体に関する研究」
・長尾敬介教授/東京大学「He、Ne、Ar 希ガス分析による、宇宙線照射年代の研究」
・中村智樹教授/東北大学「X線微小構造化学組成分析などによる、イトカワにおける大規模衝突史の研究」
・野口高明教授/茨城大学「全方向(3次元)からの微小構造観察によるイトカワ粒子表面の変成仮定の研究」
・野口高明教授/茨城大学「微小構造化学組成分析による、宇宙風化の研究」
・寺田健太郎教授/大阪大学「質量分析によるイトカワの年代測定の研究」
・土'山明教授/京都大学「3 次元構造解析などによる、小惑星表層過程、宇宙風化の研究」※土'山教授の土と山の間の「'」はタイプミスではありません
・圦本尚義教授/北海道大学「希ガス分析によるイトカワ表面の宇宙風化の研究」

海外研究機関所属研究者
・Henner Busemann A.R.F./英・マンチェスター大学「Kr‐Xe 希ガス分析などによる、年代学、イトカワ表層における変成速度の研究」
・Fabrice Cipriani研究員/蘭・ヨーロッパ宇宙技術センター「イトカワ粒子の荷電状態の解明」
・Edward Cloutis教授/加・ウィニペグ大学「イトカワ粒子の保存されたホルダーを用いた分光学的研究」
・藤谷渉研究員/独・マックスプランク研究所「Li、Be、B、N 同位体分析およびKr-Xe希ガス分析による、宇宙線照射過程、太陽風組成の研究」
・西泉邦彦 S.S.F./米・カリフォルニア州立大学バークレイ校「宇宙線生成放射性核種分析による、小惑星表層物資の進化・変遷過程の研究」
・Ryan Ogliore助手/米・ハワイ大学「同位体分析による宇宙風化の研究」
・Jisun Park研究員/米・月惑星研究所「Ar-Ar 希ガス分析などによる、年代学」
《デイビー日高》

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