人とくるまのテクノロジー展2013。広島県に本社のあるデルタツーリングは、ドライバーの体調が見える運行管理ソフト「ヒュータコ」を出品した。同社の居眠り警告システム「スリープバスター」のデータを解析し、ドライバーの体調を見えるようにしたものだ。
同社開発部の原博文氏は「スリーブマスターと一緒に使って頂くことで、どの時間に、どのような警告が出たのかを解析し、ドライバーの疲労度合いや、緊張・集中度合い、覚醒水準の変化などを表示します。データをためることで、現在のドライバーの状態も見えてきますので、運送業者などの運行管理に役立ててもらえると思います」と話した。
同社のスリープバスターは、体表脈波(APW)のゆらぎを解析するセンサーをシートに用いて、居眠り運転の予兆を捉えて警告するシステム。今回出品された「ヒュータコ」は、スリープマスターのデータを集め、パソコンでドライバーの疲労度を見えるようにしたもの。
原氏は「ヒュータコに関しては、ドライバーの疲労が原因で重大な事故が発生したのをうけて、主に運送業者に向けて開発しました。5月中の発売予定なのですが、既にいくつかの運送業者にモニターとして使ってもらう話が進んでいます。今後については、もっと内容を充実させていこうと、クラウドで提供する方法も視野に入れて開発を進めています」と話した。
ドライバーの生体情報を得るためには様々な方法があるが、このシステムはドライバーが長時間接することとなるシート業界からのアプローチだ。
原氏によると「当社はマツダのシート等を製造するデルタ工業を母体としています。その中の研究開発部門が独立したかたちで、先行開発のシートや、生体情報を検知するシートのほか、アフターマーケットに向けた製品を展開しています。今後、この分野の展開としては、アルコールの検知もできるようにしていきたいと考えています」と語った。