HKSが、人とくるまのテクノロジー展にガソリンエンジンをCNG(天然ガス)&ガソリンのバイフュエルシステム仕様にするキットを出品した。
HKSといえばチューニングパーツで有名な企業だが、じつは非常に高い技術力を持ったサプライヤーという一面も持っている。
基本的な構成は、CNGを貯蔵しておくためのタンク、圧縮されたCNGを適正な圧力に戻すレギュレーター、制御を行うためのコントローラーとECU、噴射を行うためのインジェクターなど。
ガソリンエンジンをバイフュエル化する場合、エンジン本体への改造は不要。インテークマニホールドにCNG噴射用のインジェクターを装着するための穴を開ける程度の機械加工でバイフュエル化ができる。ガソリンタンクや標準装着のインジェクターなどはそのまま残しておき、ガソリンとCNGを統合制御することでどちらの燃料も使えるバイフュエルシステムを完成させている。CNGが入手しにくい場所へ移動した際はガソリンで走行できるため、地域を選ぶことなく使うことができる
たとえばプロボックスの場合、98万円の費用でバイフュエル化が可能。CNGはガソリンに比べて価格が3分の2程度と安価だが、さすがに金銭的にイーブンとすることはなかなか難しい。しかし、二酸化炭素排出量は20%強削減できるため、二酸化炭素排出量の削減が求められている企業などではバイフュエル化が意味をもってくる。
また日本近海で相次ぐメタンハイドレードの発見や、4年後をめどに始まるアメリカからのシェールガスの輸入など、CNGについては石油よりも明るい話題が多いことも注目される要因のひとつとなっている。
今回の出展時には標準システムのほかに、バイフュエル用のスーパーチャージャーシステムも行っていたところが、さすがHKSという印象だった。