【JARI-ARV】必要な機材が世の中に出てきたことで机上論が現実のものとなった

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テストコースを走行するJARI-ARV
  • テストコースを走行するJARI-ARV
  • モニターは運転席正面に1枚、左右に2枚あり、右側の方は右方向から交差進行してくるクルマを表示するため、車体から飛び出した状態でセットされている。
  • JARI-ARV計画を実際のものとする原動力となったのがこのカメラ。60フレーム/秒で滑らかに撮影できるこのカメラがあって、初めて「できる」となったようだ。
  • 上部には遮光板が設置してあり、運転席に乗り込むときの姿勢はかなり辛い。
  • 後部には発電機を設置。
  • 横から見ても「異形」としか形容できないクルマ。

車体前部に設置されたカメラが撮影した映像を、フロントガラス前に設置したモニターに映し出すというJARI-ARV。シミュレーター機能を有した実車という、世界にも類を見ない特殊な車両だ。

この車両のコンセプト自体は数年前からあったというが、ここにきて実現したのは「必要な機材が揃ってきたという理由が大きい」と、JARI-ARVの開発を担当した日本自動車研究所(JARI)のスタッフは説明する。

機材の中でも特にキーとなったのはカメラで、「60フレーム/秒(60fps)で撮影可能なカメラが安価で調達できるようになったことが実現への第一歩だった」とする。ソニーEマウントの機材が採用されているが、「現状、他に選択肢のない状態だった」ともしている。カメラとモニター間はHDMIで接続されており、描画遅延は「ほとんどない」という。

車両については「アイポイントの関係からワゴン車(ワンボックスやミニバン)ではなく、乗用車タイプであること」、「機材搭載の関係からステーションワゴンタイプ」、「車幅が小さい」という条件があり、スバル『レガシィ』が選定されている。

ちなみにアイサイト装着車がベースとなっているが、使わない(使うことができない)ために機能をキャンセルしている。

《石田真一》

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