選挙公約実施に法的拘束力なし、控訴審が初の判断 マレーシア

選挙公約の実施が法的義務に当たるかどうかを巡る裁判で、プトラジャヤの控訴裁判所は5月13日、セランゴール州の訴えを認めて公約実施の義務はないとする初めての判断を示した。

エマージング・マーケット 東南アジア

選挙公約の実施が法的義務に当たるかどうかを巡る裁判で、プトラジャヤの控訴裁判所は5月13日、セランゴール州の訴えを認めて公約実施の義務はないとする初めての判断を示した。

野党連合・人民同盟(PR)が2008年の総選挙の際にマニフェストに盛り込んだ内容が実現されなかったとして、シングルマザーの団体、セランゴール・シングルマザー協会のメンバー2020人が訴えていたもの。団体は人民正義党(PKR)、汎マレーシア・イスラム党(PAS)、民主行動党(DAP)が政権を握るセランゴール州政府に対して、1090万リンギの手当て支払いを求める訴えを起こした。セランゴール州政府およびアブドル・カリド首相は訴えの取り消しを求めたが、高等裁判所はこれを却下していた。

控訴裁判所のモハマド・ヒシャムディン裁判官らは、アブドル・カリド首相および州政府側の弁護士、A.ヴィシュヌ・クマル氏による申し立てに同意する考えを示した。申し立ての内容は選挙公約であるマニフェストは法的拘束力のある文書ではないとするもの。また、シングルマザーの団体が手当てを求める裁判を起こした時期について、2008年3月から3年内であるべきだったが、2012年11月に申し立てられたため期限が過ぎているため民事訴訟では無効となるとも指摘した。

マニフェストでは、月間100リンギの手当てをシングルマザーに支払うとされていたが、野党連合が政権を担った後も実現しなかった。団体側の弁護士は、マニフェストの内容は契約と同様、守られるべきと主張していた。

千田真理子

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