5期ぶりの黒字、ようやく訪れたマツダの春

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マツダの山内孝社長
  • マツダの山内孝社長
  • マツダ・Mazda6(日本名:アテンザ セダン)
  • マツダ CX-5
  • ものづくり革新が行われた宇品工場

マツダが4月26日発表した2013年3月期連結決算は、最終損益が343億円の黒字となった。最終黒字を確保したのは実に5年ぶりのこと。円高是正という追い風を受けたが、これでようやくマツダにも春が訪れた。

2008年11月の社長就任以来、余りいいことがなかった山内孝社長は5期ぶりの黒字について、これまでの出来事を回想するかのようにこう語った。

「私どもが4期連続赤字のなかで、へこたれずにビジネスの構造改革をやってきた成果だと考えています。そして、われわれがやってきたことが間違いなかったということでもあります。大きくはスカイアクティブ技術の開発、それと平行して行ったものづくり革新などの成果だと思います」

マツダといえば、過去30年間、常に為替動向に経営が左右されてきた。円高になれば、赤字に転落。そのたびに住友銀行(現三井住友銀行)やフォードから強力な支援を得て、再建を行ってきた。

しかし、今回はそうした支援も得られず、自ら再建を果たさなければならなかった。と同時に、マツダには地元広島をはじめ中国経済を支えていかなければならないという使命もあり、円高になっても揺るがない経営体質をつくる必要があった。

そこで、あらゆることを抜本的に見直すことにしたわけだ。そして生まれたのがスカイアクティブ技術やものづくり革新だった。スカイアクティブ技術の搭載車は「1ドル=77円、1ユーロ=100円でも、日本から輸出して利益が出る」という。

「(13年3月期)第4四半期を確認してみても、スカイアクティブ車は台数が全体の3割に対して、利益では6割を稼いでいます。ということは、従来の車の3.5倍の利益を上げていることになります」と山内社長。このことは、マツダグループ全体の大きな自信になっているそうだ。

《山田清志》

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