日立造船、サウジアラビアで太陽熱発電用実証実験を開始

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日立造船、サウジアラビアで太陽熱発電用実証プラントを設置
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日立造船は、サウジアラビア海水淡水化公団(SWCC)の協力を得て、日立造船が開発した超低設置フレネル式太陽光集光装置(HSLPF)を使った太陽熱発電用実証プラントが完成し、実証試験を開始したと発表した。

実証試験では、HSLPFの基本性能、日射変動による運転ノウハウ、設備の耐久性などを確認し、太陽熱発電プラントの建設に向けて基礎データを収集する。

実証実験は2014年3月まで実施する。

太陽熱発電は、再生可能エネルギーの一つとして注目されており、太陽光を反射鏡により集熱管に集めて熱源とし、高温蒸気を生成して発電する。太陽熱発電の集光方式には、日立造船が採用しているフレネル式の他にトラフ式、タワー式などがある。

従来のフレネル式は、平面または固定曲面形状の反射鏡を用いているが日立造船が世界に先駆けて開発したHSLPFは、太陽の位置に応じて適切に集光できるように角度と曲面が制御可能な反射鏡を使っており、フレネル式の課題である集光倍率が50倍以下であるのをトラフ式と同等の70倍以上に向上した。

計画集光倍率は80倍、計画熱回収量390kWthを目指している。

また、集熱管を設置するのに必要な高さを大幅に低く抑えたことで、フレネル式の利点である耐風強度やメンテナンス性を向上した。

日立造船は今後、太陽熱発電プラントの建設に加え、ガスタービンコンバインドサイクルを併用した太陽熱複合発電プラントや太陽熱海水淡水化プラントの建設を目指していく。

《レスポンス編集部》

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