トヨタ自動車の加藤光久副社長は3月27日に豊田市の本社で記者会見し、「もっといいクルマづくり」の取り組み状況などを説明した。
このなかで、同社の新しい開発手法である「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の展開については「原価低減が目的と捉えられがちだが、まずクルマの基本性能を飛躍的に向上させ、世界トップのものに引き上げることが狙い」と、語った。
TNGAは複数のモデルを同時開発するなどによる部品の共用化で、従来にない原価低減にも取り組む。しかし、加藤社長は商品力の向上や「トヨタの生命線である安全、安心、品質に万全を期すこと」が最優先とし、並行して「原価低減も回していく」との方針を強調した。
また、「ここ10年は急成長して(人的な)リソースが足りず、人の育成にかまけてきたとの反省もある」と述べ、TNGAの推進では人材育成の視点も重要との考えを表明した。