新潟県並行在来線の第三セクターが経営基本計画案を発表

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えちごトキめき鉄道は信越本線(妙高はねうまライン)長野県境~妙高高原~直江津間と北陸本線(日本海ひすいライン)富山県境~直江津間の経営を引き継ぐ。
  • えちごトキめき鉄道は信越本線(妙高はねうまライン)長野県境~妙高高原~直江津間と北陸本線(日本海ひすいライン)富山県境~直江津間の経営を引き継ぐ。
  • えちごトキめき鉄道のホームページ。

北陸新幹線の開業に伴いJRから経営が分離される並行在来線のうち、新潟県内の区間を引き継ぐえちごトキめき鉄道はこのほど、経営基本計画案を発表した。同社は計画案に対する意見を募集している。

北陸新幹線は高崎~長野間が「長野新幹線」の愛称で1997年に開業。2015年春には長野~金沢間の延伸開業が予定されている。これに伴い、北陸新幹線に並行する信越本線長野~直江津間75.0kmと北陸本線金沢~直江津間177.2kmが、JRから分離されることになっている。

経営の分離にあたっては、関係する長野、新潟、富山、石川各県ごとに第三セクターを設立して運営することになり、新潟県は2010年、県内の区間を引き継ぐ第三セクターとして「新潟県並行在来線株式会社」を設立。2012年に現在の「えちごトキめき鉄道株式会社」に改称した。

計画案によると、えちごトキめき鉄道はJR西日本の北陸本線富山県境~市振~直江津間60.3kmと、JR東日本の信越本線長野県境~妙高高原~直江津間38.0kmを引き継ぐ。路線名は北陸本線が「日本海ひすいライン」、信越本線が「妙高はねうまライン」となる。

線路は現在の形態を維持。日本海ひすいラインは全線複線だが、電化方式は糸魚川~梶屋敷間を境に富山県境方が交流2万V・60Hz、直江津方が直流1500Vに分かれる。妙高はねうまラインは長野県境部を除く全線が単線で、電化方式は直流1500Vで統一されている。

運行区間は妙高高原~直江津間と直江津~糸魚川~市振~泊間とし、市振駅から先は富山県の第三セクターが引き継ぐ区間に乗り入れる。富山県の第三セクターの列車も糸魚川駅まで乗り入れる。

その他周辺路線との相互乗り入れは、長野県内の区間を引き継ぐしなの鉄道と長野~妙高高原~直江津間での相互乗り入れを協議中。柏崎方面については、現在の直通区間である二本木~直江津~柏崎間を基本とした相互乗り入れをJR東日本と協議するとしている。また、六日町~犀潟間のほくほく線を運営している北越急行とも乗り入れ方法などを協議している。

運行本数は、日本海ひすいライン、妙高はねうまラインともに「全体として現行を超える本数を確保」するとしており、朝夕ラッシュ時を中心に増発。昼間時も都市部を中心に増発を検討する。夜間は金曜日の増発を検討する。日本海ひすいラインの富山県境部は現在の水準を維持する。現在運行されている特急「北越」や快速「くびき野」は、その存続をJR東日本などに要望している。このほか、沿線の観光振興を目的としたリゾート列車も導入する。

列車の編成は、妙高はねうまラインをラッシュ時6両、通常2~4両、日本海ひすいラインをラッシュ時2両、通常1両とし、2両以下の編成では運転士のみ乗務するワンマン運転とする。

車両については、JR東日本が新潟地区で運用している普通列車用のE127系電車のうち、2両編成10本を改修した上で妙高はねうまラインに導入する。一方、直流と交流の電化方式が混在している日本海ひすいラインでは、交直両用の電車を導入せず気動車8両を新造して対応する。気動車はJR西日本の姫新線で運用されているキハ122形をベースとし、一般車6両、イベント兼用車2両を製造。このうちイベント兼用車は妙高はねうまラインでも運行する。このほか、リゾート列車用の気動車も2両導入する。

経営基本計画案と意見の提出方法などは同社ホームページで公開している。意見の募集期間は4月5日まで。

《草町義和》

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