三菱重工業は、ミャンマーのヤンゴン市電力供給公社(YESB)向けにディーゼルエンジン式発電設備13台を出荷した。
日本政府による2011年のミャンマー民政化以降、初の大型緊急無償資金協力案件で、同社の発電設備が採用された。発電設備は、ミャンマー最大のヤンゴン市にあるタケタ火力発電所内に設置される予定で、13台の合計発電容量は約1万3000kW。
今回納入する発電設備は、1台あたりの発電容量1000kWで、コンパクトなサイズながら、高い出力を発揮する。今回の緊急無償資金協力では、三菱商事、三菱東京UFJ銀行の協力も得ている。
ミャンマーでは、既存発電設備の老朽化や、水力発電の乾季における発電量制約などを背景に、特に最大の電力消費地であるヤンゴン市内では電力需給がひっ迫している。このため、日本政府は昨年、ミャンマー政府から発電設備提供の支援要請を受け、今回の緊急無償資金協力を決定。同社は昨夏からYESBなどと実務的な交渉を進めてきた。
同社のディーゼルエンジン式発電設備は、東日本大震災以降、非常用電源用途などを中心に需要が急速に拡大している。海外でも日本政府の緊急無償資金協力の一環で、昨年5月にはパラオ共和国政府に発電容量500kWの設備4台を提供するなど、日本政府の海外支援案件として活用されるケースも増えている。
同社では、今後もグローバルな事業展開を通じて、環境保全や災害支援、新興国・途上国援助など、地球規模の課題克服に向けて貢献していく。