ボーイングは、787型機のバッテリー問題の解決に向けた提案を、米連邦航空局(FAA)が承認したと発表した。
ボーイングは今後、787型機の飛行再開に向けたテストなどを提案通りに進める。
ボーイングのるジム・マックナーニ会長兼社長・CEOは「最優先事項は航空機の完全性と、乗客、乗務員の安全。今回、FAAが当社の提案を承認されたことは、787型機の飛行再開に向けた大きな一歩となる」と歓迎するコメントを発表した。
また、ボーイング民間航空機部門のレイ・コナー社長兼CEOは「社員に加え、社外のバッテリー専門家との共同作業により、バッテリーの問題発生を防ぎ、仮に発生しても安全飛行の継続を妨げることのない包括的な恒久的解決策を開発し、提案した」と述べた。
ボーイングが提案した安全対策は、主に3つの改善策で構成する。第1はバッテリーの設計の改良で、問題の発生を防止し、万一発生したとしても拡大を防ぐ。第2はバッテリーの機能性の向上に加え、製造やテストのプロセスを改善して品質向上を図る。第3は、バッテリーに想定外の問題が発生しても、機体や機内に影響を与えない新たな格納・排気システムを導入する。
設計に関しては、熱や電気を遮断する新絶縁体の追加などで、製造/テストのプロセスの改善では、バッテリー組立前のセルの検査をより厳格にする。バッテリーの機能面では電圧範囲を縮小、容器内やバッテリー内での出火を防ぐ新容器を採用することも提案している。
ボーイングの提案の詳細は後日、正式に公表する。
ボーイングでは2月下旬に、設計変更や詳細なテスト計画など、787型機の運航停止の要因となった問題に対する解決策をFAAに提出していた。
FAAは、2機を使用したフライトテストの開始も承認した。これを受けてボーイングは、1機で解決策が空中と地上の双方で意図した通りに機能するかの実証テストを、もう1機で今回のバッテリーの問題とは別の、エンジンの向上テストを実施する予定。追加テストは、必要に応じて実行する予定。
再認証に向けては、改良されたバッテリーのシステムが通常時や非通常時、想定通りに機能するかを実証する。テスト計画はFAAの基準と、規制要件を満たす方法を推奨する諮問委員会である米国航空無線技術委員会の定める指針に基づいて実施する。