住友金属鉱山は、希土類元素の1つであるスカンジウムの回収のためのパイロットプラントを同社子会社のラルベイニッケルに建設する。
同社は、CBNCにおいてHPAL法によりニッケル・コバルト混合硫化物を生産しているが、その原料鉱石中には、微量のスカンジウムが含まれている。同社は、新居浜研究所でその回収方法の開発に取り組んできたが、今回、ニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程からスカンジウムを効率的に回収する技術を確立した。
同社は2013年中にCBNCにおいて酸化スカンジウム製造のパイロットプラントを建設し、2014年には月10kgレベルの試作を開始する。また、パイロットプラントでの操業試験の結果を踏まえて、2015年を目途に商業規模の酸化スカンジウム生産ラインを建設し、事業化をめざしていく。
スカンジウムは希土類元素の1つであり、現在はアメリカ、ウクライナ、ロシア、中国等を中心に年間10トン程度生産されていると推定される。生産量が少なく、かつ高価であることからこれまでは需要が限定されているが、安定的な供給により主な用途であるアルミニウムへの添加剤や固体酸化物形燃料電池の電解質等の分野での伸びが期待される。