ルフトハンザ・ドイツ航空は、機体の空気抵抗を低減するため、多機能塗装(ラッカーシステム)研究プロジェクトに参加している。
ルフトハンザ・テクニックが2011年半ばからエアバス・オペレーションズやブレーメンのフラウンホーファー生産技術・応用マテリアル研究所(IFAM)などのパートナーとともに、機体の多機能塗装の研究プロジェクトとして実施しているもの。エアバスA340-300型2機を使って2013年夏まで試験を行う。
試験では、実際の飛行状況下にシャークスキン(サメ革)を模した航空機の表面塗装について耐久性を調査することが目的で、エアバス機2機の胴体部分と翼の前縁部に10×10センチのテストパッチ8枚を貼付している。
高速で泳ぐサメの革全体を覆う細かい溝(リブレット)は、乱流渦による抵抗を低減する。これにより、高速移動時の表面抵抗を小さくすることが可能となる。
研究の中で、IFAMの開発した新技術により、このサメ革の構造を、航空機の塗膜に型押しすることが可能となった。最新の研究成果によると、この航空力学に基づいた表面塗装を施すことで、燃料消費量が約1%減少、運航コストの引き下げが可能になると、している。
プロジェクトでは、現在のテストで良好な結果が得られた場合、より大きなテストパッチを利用して燃費低減効果をテストする予定。