日本オラクルは、マツダデジタルイノベーション(MDI)のサーバー群を、オラクルのOS「Oracle Solaris」を搭載した「SPARC T4」サーバーで刷新、稼働開始したことを発表した。
MDIは、マツダが新車の企画・開発から生産までのプロセスをデジタル技術により実現する自動車設計開発用のIT基盤。マツダは1996年にMDIを開始し、3次元のCAD(設計支援)、CAM(製造支援)、PDM(製品情報管理)などのITツールを駆使して自動車の設計・開発・製造を強化してきた。
しかし、MDIシステムの進化にともない、リソースの配分と利用効率、性能、運用コストなどの課題が顕在化。特に、ITツールごとに導入していたサーバーのCPUやメモリなどのリソースが不足し、性能が低下する一方で、使用頻度が低いサーバーではリソースが十分に使用されていなかった。また、30台のサーバーで構成されていたMDIシステムでは、電気代や運用管理工数などの運用コストも増加傾向にあった。
今回、MDIシステムのサーバー群30台のうち25台を入れ替え対象とし、アプリケーションの本番稼働用に「SPARC T4-4」サーバーと「SPARC T4-2」サーバーそれぞれ1台、アプリケーション開発・保守および事業継続・災害対策用に「SPARC T4-2」サーバー1台の計3台に統合。また、25台のサーバーで動作していたミドルウェアとアプリケーションを3台の物理サーバーに統合するために、オラクルの仮想化技術「Oracle VM Server for SPARC」を選定した。
マツダは、SPARC T4サーバー3台で、MDIシステムのサーバー群を仮想化・統合したことで、応答時間を従来の約半分に改善。くわえて、サーバーの月間消費電力を75%削減するなど、運用コストを40%削減したほか、サーバー格納ラック数お12本から1本に減らした結果、占有床面積も90%削減した。