三菱重工業は1月28日、韓国の舶用機械メーカーであるSPPマシンテックにデッキクレーンの製造・販売権を供与することで合意し、ライセンス契約を締結した。
三菱重は、韓国に生産拠点を確保することで、三菱重工の技術を採用したデッキクレーンの韓国市場における浸透を図る。今回のデッキクレーンのライセンス契約は2008年に締結した中国・江蘇政田重工に続くもの。
SPPマシンテックにライセンス供与するのは、巻上荷重36トン、荷役半径26/28メートルの現行モデル2機種で、三菱重工は油圧機械などのコンポーネント部品をSPPマシンテックに供給する。
船舶用デッキクレーンは、貨物船の甲板上に設置して、貨物の積み込みや陸揚げに使用する荷役機械で、三菱重工は国内ではシェア40%を占める最大手。今回の契約締結は、韓国市場に効率的な参入を目指す三菱重工と、競争力のあるデッキクレーンをラインナップに加えたいSPPマシンテックの思惑が一致して実現した。
SPPマシンテックはこれまで、欧州メーカーとライセンス契約をしていたが、今回、三菱重工との契約に切り替えた。
SPPマシンテックは韓国の造船・舶用機械大手であるSPPのグループ企業で、売上の約半分を占めるデッキクレーンのほか、門形陸用クレーン、舶用ボイラー、舵などを手掛けている。SPPグループはデッキクレーンを搭載するバルクキャリアを主要船型としているSPP造船が中核企業となっている。