朝日航洋、屋久島でのヘリコプター墜落事故で運輸安全委員会から勧告

航空 行政

朝日航洋は、鹿児島県屋久島町で発生した同社ヘリコプターの事故について運輸安全委員会から勧告を受けた。

同社が運航するヘリコプター「アエロスパシアル式AS332L型」が2010年9月26日、鹿児島県屋久島町で護岸工事に伴う資材輸送中、紀元杉付近の山中に墜落した。同機には機長と同乗整備士の2人が搭乗していたが、2人とも死亡し、機体は大破して火災が発生した。

運輸安全委員会の事故調査によると、機体は左旋回中に斜面に接近し、つり荷が樹木か岩などの地上の物件に引っ掛かったため墜落した。これは、実施可能であったOGEホバリングを実施しなかったことや、物資輸送経路上に最低安全高度を大幅に下回った高度を飛行していたこと、左旋回を行った際、飛行高度と雲底の高さとの間隔が小さかったことから、上昇を抑えたこと、つり荷と樹木との間隔の目測を誤ったことなどを原因と指摘した。

運輸安全委員会は、調査結果を踏まえ「法令不遵守などの不安全事例がないか、再点検を行う」ことを指導。また、事故を踏まえ、操縦士、整備士などの安全業務に従事する全社員に対し「最低安全高度の基本的な安全基準を遵守することの意義、重要性について改めて徹底を図り、緊急連絡体制の見直しを行うこと」を勧告した。

同社では、「報告書・勧告を真しに受け止め、事故の防止に向けてより一層の安全対策を強化する」としている。

《レスポンス編集部》

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