1月17日、欧州宇宙機関(ESA)はマーズ・エクスプレスの高解像度ステレオカメラによって撮影されたレウル・バリス地域のイメージを公開した。
レウル・バリスはプロメセイ・テラ高原を走り抜け、ヘラス盆地に流れ込む川の様な構造で、この曲がりくねった地表のエッチングは全長1500キロメートルにも及ぶ。
マーズ・エクスプレスによって新たに撮影されたイメージには、水路の一部がおよそ7キロメートルの幅と300メートルの深さを持つことが示されている。レウル・バリスの両川岸は非常にシャープで急角度を持っている。これは現在まで継続しているアマゾニアン期の氷河の流れによって作られたと推定されている。
川の本来の構造そのものは、18億年から35億年の間に終了したヘスペリアン期に、水の流れによって形成されたものとされている。
北の方角にあたるイメージの右側は、丸みを帯びたおよそ2500メートルの高さを持つ山々によって囲まれたプロメセイ・テラ高原が占めている。これらの山々のクローズアップイメージには、幾つかの沈殿物の溜まったインパクト・クレーターが観察され、画面に見て取れるそれぞれのクレーターの高低差は、氷と水が昇華または蒸発する様々な時間的ステージでの、以前の高い水または氷河のレベルによるものと考えられている。