パテント・リザルトは、日本に出願された拡張現実(AR)/複合現実(MR)関連技術を調査して結果をまとめた。
ARは、現実環境にVR(仮想現実)による情報を重ね合わせることで、現実世界を「拡張」するもの。例えば、ある現実風景をAR機器(アプリ)を通して見ると、VRによる情報が重なって見える。
MRは現実の情報と仮想的な情報をミックスさせるというもので、ARの上位概念に当たる。
今回の調査ではAR/MR技術関連の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見て評価した。
特許総合力ランキングで1位となったのはキヤノンで、件数、総合力ともに他社を圧倒。この分野の特許は2010年になって出願が急増しているが、キヤノンはそれより以前から積極的な出願をしてきた。2008年、2009年ごろに一時件数が減少したが2010年には他社同様に件数を増やしている。
分析対象特許群を文書中のキーワードによりARとMRに区別すると、ARに関する出願件数は特別目立っていないものの、MRでは他社を圧倒している。
また、AR/MR技術双方を併せて外国への出願状況を見ると、出願自体が他社と比較して早いことから、外国への出願も多いが、ほぼ欧米に集中している。2010年にはPCT経由での出願も増えている。
2位はパナソニック、3位は任天堂となった。
4位のソニーは、欧米、中国だけでなく、台湾、インド、ロシアなど比較的多くの国への出願が見受けられる。5位が新日鉄住金ソリューションとなった。