三菱レイヨンは、北米で炭素繊維事業の拡大を図るため、米国子会社のグラフィルが2012年第4四半期に既存設備の改造工事を実施すると発表した。
北米ではシェールガスブームを背景に圧縮天然ガス容器向けに炭素繊維の需要が増加しており、今回の改造工事により圧力容器向け新しい高性能レギュラートウの量産供給体制を整える。
高性能レギュラートウは、高い品質管理基準の下で製造される炭素繊維製品で、汎用炭素繊維に比べて強度と弾性率に優れ、フィラメント数4万8000本未満の炭素繊維製品。
三菱レイヨンは、炭素繊維事業の拡大に向けて、米国グラフィルを国内工場(豊橋事業所)と並ぶ高性能レギュラートウの生産拠点と位置づけている。今後、需要地に近い天然ガスのユーティリティメリットを追求した米国拠点を活かし、中・高弾性糸を含む高性能レギュラートウの製品ポートフォリオの拡充と新規製造ライン増設も検討する。