PCCJ(ポルシェ カレラカップ ジャパン)の2012シーズンも、いよいよ第9戦を迎え、終盤戦へと突入した。
その第9戦&10戦ダブルヘッダーラウンドの舞台となるのは、鈴鹿サーキット。F1日本GPのサポートレースという特別なステージだ。サーキット内はF1開催とあってお祭りのような雰囲気に包まれているが、この大舞台とだけあって、PCCJのパイロットたちはいくばくかの緊張感に包まれているようだ。
だが、このシチュエーションだからこそ各人の気迫もいつも以上だとも言える。
特に、タイトル争いの渦中にあるチャンピオンクラスのゼッケン14番平川亮とゼッケン22番マイケル・グリーン、ジェントルマンクラスのゼッケン19番永井宏明とゼッケン16番横幕ゆぅは、その想いもひとしおだろう。
ポイント差は、平川とマイケルが39ポイント、永井と横幕はが33ポイント。結果如何でシリーズチャンピオンが決定する。
その予選、スポット参戦の2台を含む18台がコースイン。最初に2分10秒台に入れてきたのがゼッケン15番神取彦一郎、永井、横幕の3名だ。その後、平川が2分09秒をマークしてトップに立つと、翌周には2分08秒968へとタイムを更新する。平川はその後もアタックを続けるが、結果としてはこれがポールタイムとなった。
そして同日の午後3時40分、5万人超の観客の前で10ラップの戦いがスタート。上位陣は綺麗なスタートを決め、2番グリッドのゼッケン11番山路慎一は、1コーナーで平川に並びかける。2台はサイド・バイ・サイドで2コーナーからS字へ。接触も見られたが、ここではなんとか平川が山路抑え込みトップを死守した。
一方、「この接触でクルマがまっすぐ走らなくなってしまった」という山路は、その後平川との差を詰めることができず、そのまま2位でチェッカーを受けている。
また、スタート後のS字では永井が姿勢を乱してコースアウト。これを避けようとしたゼッケン90番イゴール・スシュコもコースオフし、永井はその後3周目にもスピンを喫しリタイアとなった。
接近戦を演じて観客を沸かせてくれたのは、横幕とマイケルによる3番手争い。「3周目ぐらいからエンジンが全開になるのにワンテンポ遅れていた」という横幕は、なんとかレース中盤までマイケルを凌いでいたが、7周目の1~2コーナーでアウト側からかわされてしまう。
順位を下げた横幕は、その後トラブルが顕著になってしまい、マイケルにはついていくことができないまま4位でフィニッシュ。ジェントルマンクラス優勝を手にした。
第4戦からの連勝を「6」に伸ばしたチャンピオンクラスの平川は、「クルマの状態が良かったので、ずっとプッシュし続けました。お客さんもいつも以上に多くて楽しかったです」と語る。
平川のベストラップは昨日の予選よりもタイムアップしており、明日の第10戦も当然ポールスタート。7連勝、そしてタイトル獲得へ向け、また一歩前進した。