バーニー・エクレストンは、これまでも再三にわたって2014年の新エンジン導入延期を求める発言を繰り返してきたが、今回もFIA会長のジャン・トッドを名指しにして「彼は恐らく撤回を決断するだろう」と語った。
FIAが次期エンジンフォーミュラを策定した背景にはエンジン開発費高騰の引き下げという狙いがあったが、エクレストンは変化がもたらす影響の大きさ、特にサウンドの変化を警告してきた。
「マラネロで新しいV6ユニットと現行エンジンの排気音を比較する機会があったが、ルカ・ディ・モンテゼモーロもが『ひどい音だとか、聞くに堪えない』と言っていたよ。トッドはおそらく計画を中止すると思う。ルカも2~3年の延期を言い出すと思うよ。新エンジン導入は棚上げにして現在のユニットを使い続けるのが一番だ。新しい物を作るよりははるかに安上がりだからね。30%は節約できるだろう」
「とんでもないエンジン規定を持ち出したのはFIAだが、ジャン・トッドに責任を負わせるのは妥当ではないだろう。前会長のモズレーが一人で突っ走ったというのが実際だ。トッドはわれわれの主張をあまりまじめに聞いてくれなかったのが問題だったのかもしれない。世界中を飛び回っていろんなフォーミュラの仕事をしているので、F1の問題に気づくのが遅れたのだろう」
F1興行団体協会(FOPA)のロン・ウォーカー会長もエクレストンと同意見で、サーキットにとっては次期エンジンのお粗末なサウンドは悪夢だと語る。
「これまでのようなサウンドを確保する手立てなく新エンジンへの移行を強行されたらサーキットは大打撃を受けます。現行エンジンで継続を主張するバーニーにサーキット側は全面的に同調しています。スポーツを続ける上でのコストも大幅に節約できるでしょう」