浜松ホトニクスは、超小型・高性能の電磁式駆動のレーザー走査型MEMSミラーを開発。1次元タイプと2次元タイプを国内外の家電、車載電装、計測機器メーカーに来年1月からサンプル出荷を行う。
開発品は、同社独自のMEMS(微小電気機械システム)加工を用いたプロセス技術による電磁式駆動のレーザー走査型MEMSミラー。電磁式駆動を採用し、ミラーの下に強磁石を配置したことで、小型化と低消費電力、低電圧駆動(5V)を実現した。
また、ミラー表面の反射膜材料を最適化。95%という極めて反射率の高いミラーとなっており、単結晶シリコンを材料に使用しているため丈夫で長期安定性にも優れている。さらに、高速軸にはミラー位置センサを内蔵。レーザースキャン角度を直線性良く駆動できる。
これにより、5V駆動と低電圧でありながら、2次元共振タイプの場合でも光学的振れ角24°と広い光学的走査角度で、共振周波数22kHzの高速スキャンが可能になり、大画面で高解像度を実現する。
1次元共振タイプは、1mm径のミラーサイズ、2種類の共振周波数、1次元非共振(固定)タイプは、2.6mm径と1.1mm×4.1mmの2種類のミラー形状を用意する予定。固定タイプは、任意の位置でミラーを止めたり、スピードを変化させたりすることができる。 2次元共振タイプは、0.9mm×1mmの楕円形のミラーからなり、高速軸は共振モードで低速軸は非共振モードで動作させる。
同社では、今回開発したMEMSミラーが車載ヘッドアップディスプレイや超小型プロジェクターなどの開発に貢献するとしている。なお開発品は、10月2日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2012」に出展する。