ホンダの伊東孝紳社長は9月21日に東京の本社で記者会見し、中長期の経営方針を発表した。4輪部門は2016年度までに世界販売を600万台に拡大するとともに、国内生産は100万台を堅持する方針を改めて表明した。
伊東社長は、「100万台は雇用確保の狙いもあるが、継続可能なレベルと考えている」と語った。ただ、長期の円高で輸出環境が悪化していることから「できれば生産する全てを国内で売るくらいの考えをもちたい。そのためにも国内販売体制の強化を進める」と述べ、国内営業のテコ入れが必要との認識を示した。
また、国内市場については「長期的には400万台近辺まで縮小するのかもしれない」と予測、「そのうち100万台くらいを担いたい」と、シェア拡大に意欲を示した。
国内の生産体制については、鈴鹿製作所を軽自動車を主体とした拠点とし、13年7月に稼動予定の寄居工場(埼玉県寄居町)は『フィット』シリーズを中心に小型車専用工場とする。また、狭山工場については現状で2本ある生産ラインの一部を集約化するなどにより「10車種以上の混流生産が可能な高効率工場にする」(伊東社長)方針だ。