IHI、100度以下の発電できる小型バイナリー発電装置を開発

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IHIは、70~90度程度の温水から発電した電力を、商用電源に接続できる系統連系機能を持つ送電端最大出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を開発したと発表した。

バイナリー発電装置は、100度未満の工場排水や地熱などで沸点の低い媒体を蒸発、タービン発電機を作動させる。従来、未利用だったエネルギーを活用し、低位熱からのエネルギーの回収と有効利用による省エネ、再生可能エネルギーから発電する創エネとして期待されている。

今回開発した小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」は、従来のバイナリー発電装置にはない、20kWという小型タイプ。発電に必要な温水量が少ないため、これまで熱エネルギーの回収が難しいとされてきた、工場などで分散して排出されている100度未満の温水を、集約せずに少量のままでも発電に利用可能にした。

まとまった温水が排出される工場では、装置を複数台設置し、温水を各装置に分散させて発電することも可能。メンテナンス時には一台ずつ停止して、他の装置で発電することで、発電装置の稼働ロスを最低限に抑えることができる。

また、商用電源に接続可能な系統連系機能を標準装備することで、発電した電力の品質を上げ、工場での一部使用に加え、制度が整備された場合、余剰電力を売電できる。

バイナリー発電の心臓部であるタービン発電機には、同社の自動車用・舶用ターボチャージャや産業用コンプレッサ事業を通じて培ったターボ機械技術と、増速機などを使用せず直接動力を伝達するダイレクトドライブ技術を融合した。これによって高効率化を実現、発電性能の向上を図った。

同社では今後、送電端最大出力20kWのバイナリー発電装置として、様々な業種の工場などに向け、2013年度からの販売開始を目指す。

《レスポンス編集部》

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