横浜ゴムは、ブチルゴム系ホットメルトタイプの太陽光発電モジュール用シール材「M-155P」が、米国の安全規格UL認証のRTI値(耐熱耐久性)110度を取得したと発表した。
太陽光発電モジュール用のブチルゴム系シール材でRTI値110度を取得したのは初めてで、同社では、既に取得済みの難燃性認証と合わせて高い安全性と信頼性が実証されたと、している。
UL認証のRTI値は、10万時間使用の想定下で、初期性能が半減する温度を評価するもの。
太陽光発電モジュールは、太陽電池セルを強化ガラスや樹脂で保護したモジュール基板に強度をもたせるため、アルミフレームをはめたもの。モジュール用シール材は、モジュール基板とアルミフレームを接着、湿気の侵入による発電効率の低下を防ぐ重要な役割をもつ。
モジュール内は高温になるため、世界的には耐熱耐久性の高いシリコーン系シーリング材が多く使用されているが、硬化により多くの時間を要する。また、吸湿性の高さからモジュールを長期間使用した場合、出力低下の原因となることが懸念されている。
同社が開発したM-155Pは、ブチルゴムの架橋反応を向上させる新技術の採用により、耐熱耐久性を大幅に高めた。今回取得したRTI値110度は、実際の使用環境下、シリコーン系シール材と同等以上の耐熱耐久性を実現したことを示す。
更にブチルゴム系のため、シリコーン系に比べて接着速度が圧倒的に速く、透湿性が一般的なシリコーンの100分の1程度と低いことからモジュールの長期耐久性向上にも寄与する。
同社は、再生可能エネルギー買取制度などの効果で、太陽光発電システムの需要拡大が見込める国内で営業活動を積極化するとともに、太陽光発電モジュールの生産が活発な中国、韓国、台湾などでもM-155Pを販売していく予定。