田中貴金属工業は、2012年1月から6月までのプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。
プラチナの2012年1月から6月までの国内平均価格は4092円/gで、前年同期の平均価格4809円/gを700円程度下回った。
プラチナの価格は、昨年から金価格を下回っていたが、2012年2月に5か月ぶりに4500円/gを超えるまで回復し、3月上旬には一時プラチナ価格が金価格を上回り、月平均価格も4503円/gまで上昇した。しかし、中国での自動車販売の鈍化や、プラチナを多く使用するディーゼル車需要の高い欧州での財政不安などを要因とした工業用需要の減退から値を下げ、5月には4000円/gを切り、6月の月平均価格も3780円/gとなっている。
プラチナ地金の売買状況は、前年同期と比較して販売量は61.2%増加、買取量は20.5%減少となっている。プラチナ価格が金価格を下回っていることの値ごろ感に加え、4000円/gを切ったことから、国内の投資家の中に、プラチナに対する投資意欲が高まり、販売が活発になったことがうかがえる。
プラチナ投資が活発になる中、今後は排出ガス規制強化に対する自動車メーカーの動向や、生産コスト高により経営が圧迫されている鉱山会社の動きなどに、市場の注目が集まることが予想される。