フェラーリ『F12ベルリネッタ』は、『599』の後継車であるとともに、よりスポーティで新世代のスポーツカーであることが求められた。
そのデザインには大きく2つのミッションがあったとは、フェラーリS.p.Aプロダクト・マーケティングマネージャーのアンドレア・バッシさん。まずひとつは、「ファンクショナル(機能的)なエアロダイナミクスです。599と比較し空力性能の効率が2倍良くなっています。こういうことをデザイン的に追求することでした」。F12 は0.299というCd値に加え、599の約2倍となる空気力学的効率1.2を達成している。
そしてもうひとつは、「コンセプトとして、よりスポーティなクルマを追求していたので、それをどう実現するかということでした」。これは599の後継車であると同時に、差別化を図る、すなわち新世代のスポーツカーであるというということを打ち出したかったからだ。
バッシさんは、「ファントゥドライブと軽量化をするという、革新的なアーキテクチャーになっていますが、同様にデザインでも、大きな革新が必要でした」とし、「例えば、テールゲートの部分です。リアオーバーハングを短くする必要(スポーティさを強調すると同時にエアロダイナミクスのため)があったのですが、ラゲッジスペースへのアクセスはおろそかにしたくない。その結果、テールゲートを採用しました。これもアーキテクチャーがデザインに影響を与えたという面でもありますね」とし、新世代のスポーツカーが単にファントゥドライブだけではないことを語った。