豊田通商は、イラクの電力省から、イラク全土24カ所の変電所新設プロジェクトを受注したと発表した。
プロジェクトは2003年のイラク戦争終結以降、日本企業として初めてイラクで新設変電所を設計・調達・建設業務を一括で受注するもの。
イラクでは、発電設備の不足・老朽化に加えて、送変電設備も大幅に不足しており、イラク国内の大部分の地域で、1日に8時間以上の停電が発生するなど、電力供給が不安定な状況が続いている。
今回、豊田通商が受注したプロジェクトは、日本政府がイラク復興支援の一環として供給する円借款プロジェクトで、総事業費は約70億円。
豊田通商は、2012年9月から、イラク北部地区5カ所、バグダット地区6カ所、中部地区7カ所、南部地区6カ所の合計24カ所の変電所を新たに建設する。現地での建設は、大手電気機械器具メーカーであるシーメンス・トルコが請け負い、2014年9月の完工を目指す。
今回の受注で、豊田通商が取り組むイラク復興支援事業は、総額約1400億円となり、日本企業で最大の取り組みとなる。
豊田通商は1954年にイラクのバグダッドに駐在員事務所を設立し事業活動を開始した。1970年代には、日本企業としては初めて、イラク電力省からガスタービン発電所建設契約を受注、その後も移動式変電設備供給・据付や電力・インフラ分野のプロジェクト、自動車、建設機械、港湾整備などイラクでの広範なビジネス基盤を構築してきた。