パナソニックグループ・エナジーは、欧州家庭用市場向けのリチウムイオン蓄電システムを開発した。6月から量産・販売を開始する。
欧州市場向けリチウムイオン蓄電システムの量産は、パナソニックグループとして初めて。
ドイツをはじめとするヨーロッパ各国では、太陽光発電の導入拡大によって一般家庭の電力料金への影響に懸念が高まっている。電力系統に悪影響を与える過度の導入を抑制するため、売電価格(フィードインタリフ)の引き下げが続いている。
今後、家庭で太陽光発電の自家消費最大化のニーズが高まっていく見通し。同社は電力の地産地消時代に向けて大型蓄電システムを開発するなど、事業を強化している。
リチウムイオン蓄電システムは、1.35kWhの容量を持つ電池モジュール複数台と、顧客の要望に応じて電池制御が可能なバッテリーマネージメントシステムの組み合わで構成する。太陽光発電などから充電し、必要時に放電する。実証実験として、パートナー企業であるドイツのエンジニアリング会社E3/DCにこのリチウムイオン蓄電システムを供給、家庭用蓄電システムS10に搭載し検証を続けてきた。
今回、検証を経て、量産を開始することにした。リチウムイオン蓄電システムの供給によって、太陽光で発電した電力の自家消費を促し、家庭の電力系統依存を軽減、太陽光発電の普及拡大に貢献する方針だ。