製紙業界の最大手、王子製紙が「人とくるまのテクノロジー展2012」に紙をはじめ、フィルム、粘着製品、不織布などを出品した。同社が自動車関連商材の展示会に出展するのは今回が初めてだ。
王子製紙といえば、1873年に渋沢栄一が創業した歴史のある会社。戦前には日本一の売り上げを誇ったこともあった。その技術力には定評があり、紙づくりの技術をもとにこれまで多種多様な素材を開発してきた。
「軽量化などの基礎技術を自動車メーカーと一緒になって開発したい」と同社関係者。すでに、天井やドアの内装材として一部の自動車に同社の素材が使われているという。
製紙産業は典型的な内需産業のため、市場は年々縮小気味。そこで、他の業界へ活路を見いだそうというわけだ。「自動車関連の展示会に出展して来場者の話を聞き、自動車分野での活用につなげていければと思う」と同社関係者は説明する。今回の同社の出展テーマは「この素材の使い道、教えてください。」だそうだ。