【人とくるまのテクノロジー12】自動車技術会講演…世界をリードするスモールカーデザインとは

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講演者の各氏
  • 講演者の各氏
  • 自動車技術会春季大会GIAフォーラム開催 「2030・スモールカーでワクワク移動」
  • 日産自動車デザイン本部の駒田博氏(自動車技術会デザイン部門委員会委員長)
  • パネルディスカッションのモデレーター モータージャーナリストの竹岡圭氏

パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催された人とくるまのテクノロジー12の自動車技術会春季大会において、デザイン部門委員会企画のフォーラムが開催された。

今年のテーマは“2030・スモールカーでワクワク移動 ~小さなクルマの大きな未来~”と題し、経済産業省の伊吹英明氏、そして国内自動車メーカー4社のデザイン責任者が講演。そののち、モータージャーナリストの竹岡圭氏とのパネルディスカッションを通して、デザインの立場から日本のスモールカーの将来を考え、提案するというもの。

日産自動車デザイン本部の駒田博氏(自動車技術会デザイン部門委員会委員長)は、「デザイン部門委員会は、日本の自動車会社、バス、トラック、2輪、部品会社のデザイン本部より各1名の委員を出して運営。デザイン技術の発展のため、その環境やデザイナー地位の向上、後進の育成のために日々活動している」ものであると紹介。

さらに、今回のテーマを選んだ背景について、リーマンショックの反省や東日本大震災による価値観の変化などで、「日本では、軽自動車の販売が伸びている。エコカーの原点、エコロジーでエコノミーのクルマの本質は、軽自動車を中心にスモールカーというものにあるのではないか」とする。

また、「その低燃費と居住性の良さ、そして、豊富なバリエーションの豊かさを改めて見直すと、その小さなクルマを作り込んでいく世界は、まさに日本の文化の誇るべきものではないか」と述べた。

その一方、「携帯電話でガラパゴス化という言葉がある。日本という孤島の中で、小さな差異化を繰り返していないか。また、日本のモノ作りが世界にきちんとPRされているかを反省した言葉だと思う。果たして日本のスモールカーがガラパゴスになっていないか、今後、2030年の世界をリードする真のスモールカー作りができるか」を考えたいとした。

最後に、「今後、2030年に向けたモノ作りにおける、安心、安全、サスティナブルな環境を継続するために、守っていかなければいけないこと、変えていかなければ、革新していかなければいけないことは何なのかを考えたい」と述べた。

講演者とそのテーマは以下の通り。
■「クール・ジャパン戦略とデザイン政策」
経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課 デザイン政策室長の伊吹英明氏
■「小さいクルマならではの魅力」
ダイハツ工業デザイン部部長阪口庸介氏
■「世界に広げる日本のスモールカー文化」
本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン開発室室長木越由和氏
■「乗る?着る?・・・履く?」
スズキ四輪技術本部四輪デザイン部部長竹内義男氏
■「20230年のスモールデリバリーカー」
三菱自動車工業デザイン本部本部長大塚弘明氏
■パネルディスカッション
モデレータ:モータージャーナリスト竹岡圭氏
パネラー:各講演者

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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