日産自動車の田川丈二執行役員は8日、信用不安がある欧州およびその影響が懸念される新興国市場について「リスクについて非常に慎重な見方をしている」としながらも、「足元の販売は好調」と述べた。
田川執行役員は同日、横浜市の本社で開いた決算会見で「為替と並んで欧州のリスクについて我々として非常に慎重な見方をしている」とした上で、「今回年度の見通しを変えなかったひとつの理由」であることを明らかにした。
日産が同日発表した2011年4~12月期(第3四半期累計)決算は連結純利益が前年同期比7.7%減の2661億円だった。今回据え置いた通期の純利益予想2900億円に対しては92%の達成率となる。ただ田川執行役員は「特に個別で何か第4四半期で新たなリスクを織り込んでいるわけではない」と説明。
さらに「足元をみれば欧州や中国とも私どもの販売は非常に好調。欧州は2011年は5%の増加、1月の販売も15%増加ということで、ロシアだけでなく西ヨーロッパについても需要が非常に大きくて、今現在足元で何か懸念があるということは欧州についてはまずない」と強調。
また「中国については2011年の全需は1ケタ台の成長だったが、私どもは約22%の増加ということで、こちらも堅調に推移している。1月は旧正月が去年が2月だったのに対し、今年は1月だった関係で、東風日産の営業日が8日少なくマイナス28%がスタート線と思っていたが、実際には16%減だったので、引き続き好調に推移している」と述べた。