産業交流展2011の広い会場内を歩いていると、見慣れない名前の測定具に目が止まった。
「ネジピンゲージ」? 出展していたのは伊東NC工業で、同社はトラック用エンジンの試作などを請け負う機械加工業だが、その機械加工の工程中に生じる諸問題を、独自のアイデアで解決し、オリジナル商品を作り上げているのである。
同社が導入しているマシニングセンタは、金型から取り出された塊からシリンダーヘッドを削り出して、ネジ加工まで一気に行なってしまうという。けれども、そんな風に精密に切削加工された完成品のチェックに盲点があったのだとか。
同社の伊東社長によれば、万能に思える三次元測定器も先端が球体となっているため、鋭いら旋状になっているネジ穴を正確に測ることはできないそうだ。そのため、これまでは工作機械で開けたネジ穴を信用するしかなく、ネジ位置の正確な測定は困難だったのだ。
そこで考案されたのが件のネジピンゲージなのである。これは雄ねじの上にピンが突き出たもので、正確にネジ切りされたピンをネジ穴に取り付けて、ピンを三次元測定器で計測することにより、ネジの中心が算出できるようになるものだ。
ネジピンゲージには、しっかりと奥までネジ込むことで固定するタイプと、雄ねじが途中からテーパー状に広がっており、途中で食い込んで止まるRAタイプの2種類があり、それぞれ使われるネジ径とネジピッチの分だけ用意されている。
先頃、特許を取得しており、日本の主要な自動車メーカーではすでに導入されているそうだ。日本のエンジンの工作精度をますます高めるために貢献してくれそうな測定具であった。