三菱重工業は、エアバスが2015年の就航を目指す中小型民間輸送機「A320neo」に搭載する次世代エンジン「PW1100G-JM」の開発に参画すると発表した。
日本航空機エンジン協会(JAEC)が、米国プラット&ホイットニー(P&W)、ドイツのMTUアエロエンジンズと、PW1100G-JMを共同で開発することで合意したのを受けたもの。三菱重工は燃焼器と燃焼器ケースの開発を担当する。事業参画シェアは全体の2.3%となる。
P&W、JAEC、MTUは、新型エンジン開発のための事業会社を合弁で設立する方針。3者は、エアバスの世界的ベストセラー機「A320」用エンジン「V2500」プログラムでも共同ビジネスパートナーだった。
今回、JAECはファン、低圧圧縮機、低圧シャフト、燃焼器の一部などシェア23%、MTUは低圧タービン、高圧圧縮機の一部などシェア18%をそれぞれ担当する。P&Wは高圧タービンなど残るすべての部位を担当する。
三菱重工と三菱航空機は現在、世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた70~90席クラスの次世代リージョナルジェット機『MRJ』を開発中で、エンジンはR&W「PW1200G」を搭載予定で、A320neoのエンジンは、MRJに相似設計のエンジンとなる。
三菱重工は最大市場である中小型民間輸送機用エンジン事業に継続投資することで、民間航空機エンジン事業の拡大を図る。
PW1100G-JMの国際共同開発にはJAECを通じて三菱重工のほか、川崎重工、IHIが参加する。