日清紡、欧州メーカーを買収…円高メリットを活用

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ドイツ、レバークーゼンにあるTMD本社工場
  • ドイツ、レバークーゼンにあるTMD本社工場

日清紡ホールディングスは26日、欧州の自動車ブレーキ用摩擦材メーカーであるルクセンブルグのTMDフリクション・グループを買収すると発表した。TMDが発行する株式すべてを4億4000万ユーロ(約462億円)で取得する。

日清紡は、自動車市場の拡大が見込まれる海外事業を強化しており。特に現在の円高局面では、海外投資拡大の絶好の機会と判断、新興国拠点への投資やM&Aも積極化する方針。

日清紡とTMDの関係は、1964年にTMDの前身であるスモール&パークスから日清紡は技術供与を受けるなど、長年にわたる技術提携の歴史を持つ。今回の買収についてTMD経営陣は賛同しており、買収後もTMDの経営陣は経営に参画する予定。

今回買収するTMDグループは、ブレーキ摩擦材製品の世界有数の専門メーカー、地域的には、欧州、中国、南米などで、特に高いプレゼンスを持つ。日清紡ブレーキの拠点がない欧州やブラジル、メキシコなどに拠点を持つTMDを買収することで、摩擦材業界のグローバルリーダーとなる目的がある。

また、新車組付け用部品のディスクパットシェアで、日清紡ブレーキは日系メーカーや韓国系メーカーに強く、TMDは欧州系メーカーに強いため、顧客別でも補完できる。さらにTMDは、日清紡ブレーキが本格的に展開していない市販補修品市場でも強い競争力を持つことから、業容拡大へのプラス効果も見込めるとしている。

《レスポンス編集部》

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