フランクフルトモーターショー11会場で15日午後、環境保護団体『グリーンピース』が突然パビリオンの外壁に巨大な横断幕を掲げた。
事件があったのは関係者公開初日である15日14時25分頃。場所は、主にフォルクスワーゲン(VW)とそのグループが展示している3号パビリオンだった。屋根にヘルメット姿の4人が現れ、登山用ロープを使って降下しながら徐々に横断幕を垂らしていった。
横断幕は約10分後に、すべての文字が判読できるようになった。内容は「Not up! to date. Klimazerstorung Made in Germany =最新式ではない。ドイツ製環境破壊」というもので、「up! to date」は、13日に会場で発表されたVWの新車小型車『up!』にかけたものだ。さらにVWのキャッチフレーズ「Das Auto =自動車」の代わりに、「Das problem =問題」と記されていた。
横断幕が完全に掲げられた直後には、グリーンピースのメンバー十数名がバルコニーで環境保護を訴えるプラカードを掲げた。なおここまでの間、彼らの行動を制止するため揉みあったりする動きは、地上からは一切見られなかった。
モーターショー会場における抗議行動は、経済危機発生直後の2008年10月に開催されたパリモーターショーで、フォード工場従業員が解雇撤回を求めて会場に押しかけたり、周辺に多数のステッカーを貼ったりしたことがあった。
今回筆者は、偶然事件現場に遭遇した。大半の来場者たちは横断幕が掲げられるまでグリーンピースの抗議活動とはわからず、派手なパフォーマンスと勘違いして遅めの昼食やスナック片手に見物したり、携帯電話のカメラで撮影したりしていた。