今年2月に愛知県豊橋市内の東名高速道路で発生し、3人が死亡したトラックとRVが関係する事故について、愛知県警は5月31日、事故を起こした運転者に長時間労働を命じたとして、静岡県内の運送会社で営業所長を務める34歳の男を労働基準法違反で逮捕した。
愛知県警・高速隊によると、問題の事故は2011年2月15日の午後5時10分ごろ発生した。豊橋市賀茂町付近で東名高速道路下り線で、渋滞中の車列最後部にいたRVに対し、後ろから進行してきた中型トラックが約80km/hの速度を保ったまま追突。車両5台が関係する多重衝突に発展した。
追突によってRVは大破。後部座席に同乗していた17歳の女性と18歳の男性、助手席に同乗していた47歳の女性が全身を強打し、収容先の病院で死亡。RVを運転していた44歳の女性と、他車に乗っていた6人が打撲などの軽傷を負っている。
トラックを運転していた24歳の男は居眠り運転の状態。警察は自動車運転過失致死容疑で逮捕(後に同罪で起訴)したが、捜査の過程で著しい長時間労働が明らかになった。
男は2010年10月1日から事故前日の2月14日に掛けての間、法定労働時間以外に合計1033時間56分の時間外労働をしていたことが判明。警察は男が勤務していた運送会社の静岡営業所で所長を務める34歳の男が長時間労働を命じていたとして、5月31日に労働基準法違反容疑で逮捕。道路交通法違反(過労運転の下命・容認)容疑でも調べを進めている。
調べに対して男は容疑を大筋で認めており、警察では他の運転者についても同様の指示が行われた可能性もあるとして、勤務実態の解明を進めている。