中型ショベルカーを実物大で投影しながらバーチャル開発

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日本SGIは、コマツに建設機械・車両の設計・開発用バーチャルリアリティ装置「4面VRシステム」を納入した。

システムは、コマツの会社創立90周年記念事業の一環として大阪工場(大阪府枚方市)内に設けた新開発センターに導入、5月13日から本格稼働を開始した。

コマツは建設機械・車両の設計・開発システムとして三次元CADを導入、2004年からはすべての新機種の開発を三次元CADを利用している。ただ、開発する建機の視界性、安全性、整備性、小修理性の検討および実装評価を行うには、パソコンのディスプレイでの作業では実際の検討や評価とのギャップが大きく、より大画面での立体投影によって詳細に検討・評価できるシステムが求められていた。

今回コマツは、新開発センターの竣工に伴って大規模なスクリーンを使った新しいバーチャルリアリティ装置を導入、開発力の向上とスピードアップを図る。

新しいシステムを利用することで実物大で立体的に見てデザイン性を検討したり、実際に運転席からの前後左右の視界性や安全性をチェックしたりすることが可能になる。実際に部品ができてから形状を変更すると時間とコストがかかるが、システムを活用することで事前に徹底した検討を行え、開発時間の短縮とコスト低減が図れる。また、ポンプやエンジンの点検も、実物を扱うように確認でき、整備性や小修理性の検討も正確に行える。

システムは、正面、左右面、床面の計4面のスクリーンと4台のプロジェクターを備えた大規模なバーチャルリアリティ装置。横幅4.6m、高さと奥行きがそれぞれ2.9mのスクリーンは建機業界で最大級で、コマツの中型油圧ショベルを実物大で投影できる。

立体視処理には、NVIDIAのGPU最上位機種が搭載された日本SGIのビジュアライゼーション専用システム「アステリズム」を4台導入。自動立体表示化ソフトとしては仏TechVizの「TECHViz XL」を日本で初めて導入した。

《レスポンス編集部》

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