福島第一原発4号機 核燃料貯蔵プール、今そこにある核燃料

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福島第一原発4号機の核燃料貯蔵プールの核燃料の状況を調査するために、88度という高温のプールに水中カメラが投入された。高温の影響を避けるため、カメラは水中からすぐに引き抜かれている。だが、その6秒間で、カメラは事故後の核燃料の姿を捉えた。

中央に映っているのは、3×10の30本の燃料集合体が収納できるラックが2つ並んでいる様子だ。集合体1本が入るラックの1区画の大きさは内幅15cm、外幅17cm。ラック1つの大きさは約170cm×51cmになる。

燃料集合体とは81本の核燃料棒をまとめたもので、一辺が14cm、全長4.5mある。この燃料集合体をチャンネルボックスというジルカロイ製の四角い筒に入れて原子炉内に設置する。核燃料集合体を収納するラックの左側に、チャンネルボックスを入れる一回り大きなラックが見える。

燃料集合体の右側に十字に見えるのは、核燃料制御棒だ。「十」の字になっているのは、原子炉内の緊急停止では、4つ核燃料集合体が「田」の字に並ぶ中央に制御棒を差し込むだめだ。

また、原子炉に配置したとき、燃料集合体の隙間を埋めるためのダミーも、燃料集合体と同じように収納されている。

4号機の貯蔵プールには、こうした燃料集合体が入るラックが1590体分あり、使用済み、使用中、未使用を含め1535体収納されている。

見分けは色でできるという。にぶく銀色に光っているのは使用前の燃料集合体。4号機は定期点検中のため使用中のものも貯蔵プールに入っている。こちらは水の中に長く入っているため水あかのようなものが付着して茶色に変色している。

映像では、とても近く見えるが、カメラから燃料集合体のラックまでの距離は6m。さらにプール底部までは約10mある。

カメラは貯蔵プール上部に設置された核燃料交換用のクレーンからプールの側壁に近い場所に投入された。いつもの定期検査では、燃料棒に異常がないか検査をする場所だ。

この映像の直前は「高温のプールから立ち上る湯気のためレンズが曇り、水中に投入するまで何も見えなかった」と、映像を解説した広報担当者は語った。

《中島みなみ》

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