クラリオンは、スマートフォンの機能をそのまま反映できる新たなAVシステム「車載用次世代スマートフォン・コネクティビティシステム」を開発し、上海モーターショー内の特設会場でその内容を公開した。
システムは既発売のメモリーナビ『NX710』をベースにWindows系OSで開発。対応するのはiPoneのiOSやノキアのシンビアン、アンドロイドで、Windows Phoneへの対応も予定しているという。
開発の背景としては、近年はスズキの新型『MRワゴン』に搭載されたように、ディスプレイを搭載しながらナビ機能を持たない「ディスプレイセンターユニット(DCU)」に自動車メーカーからの注目が高まっていることがある。
車載器をDCUとすることで、ラジオやCDプレーヤー機能を持たせるものの、ナビやビデオ再生といったよりニーズの高い機能についてはスマートフォン側の機能を活かす。これによって搭載コストが下がったり、ユーザーは使い慣れたスマートフォンのソースが楽しめるわけだ。ただ、ナビ機能もスマートフォン側を利用できるものの、当然ながらその能力は測位精度を中心としてオンボードナビと比較すれば見劣りはする。自車位置の誤差などは製品に対するクレームにつながらないのか。
これについてクラリオンの島本世津夫 中国市場室室長は「クラリオンとして、あるいはOEMで搭載する自動車メーカーが販売するのはDCUであって、接続したスマートフォンで得られる機能については、ナビ機能を含めメーカーとしての保証は免責される」との見方だ。一方で島本氏は「(ラインナップとして)オンボードのナビを備えたモデルも用意したい」とも話していた。
商品化は2012年を目指し、中国だけでなくグローバルな展開となる予定だという。