「田代島の被害はたいしたことないと思っている方も多いのですが、それは今まで報道の方が島に入ってこなかったから、だから外に伝えられなかっただけ。建物の被害は大きいです」と島民の方は言う。
津波によって漁船は流されてしまい、島は震災から約8日間に渡って孤立した状態に。その間、外部との連絡も完全に途絶えることとなった。元々、平時であってもNTTドコモの電波がギリギリ届く程度。船と固定電話が失われてしまうと、本土との連絡が取れなくなってしまう。
「被害報告が無い=被害そのものが無い」と楽観視した人も多かったようだが、海岸沿いの家は地震や津波の被害で倒壊している。全壊した建物も多い。「津波が島を避けていく」という伝説もあるそうだが、現実は甘くない。
「それでも石巻に比べたら…。物資はすべて石巻から入ってくるのですから、石巻が復興してくれないと、この島の復興もありません」
震災前までは高速船のブルーライナーが夜間は田代島で待機。本土への救急輸送を担っていたが、今はそれもない。
石巻が早期に復旧し、船便が1日3往復の体制に戻るまでは「島が復興した」とは言えない状況なのだ。