[年頭所感]馬淵国交相2 高速道路は原則無料化

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撮影=中島みなみ
  • 撮影=中島みなみ

2011年の年頭所感で馬淵澄夫国土交通大臣は、海上保安庁を所管する国土交通大臣として、海路の安全確保について述べた。また、豊かな国民生活の実現ために、高速道路の原則無料化を段階的に進めていくとした。

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二つ目は、国民生活の背骨としての観点です。国民生活の安全・安心を確保するための災害対策、豊かな国民生活の実現のための住宅政策や地域交通の確保等に取り組んでまいります

(安全・安心な社会づくり)

我が国は、地震・津波や水害・土砂災害・高潮災害など、自然災害に対して脆弱な国土条件にあります。最近では、奄美地方の豪雨災害など、各地で集中豪雨による被害が発生しており、地球温暖化の影響も懸念されています。こうした自然災害から国民の生命や財産を守るという国土交通省の重要な使命を果たしてまいります。

なお、今後の治水対策については、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えに基づき、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」において昨年9月に公表された「中間とりまとめ」を踏まえ、全国の83事業(84施設)のダム事業の検証を、予断を持たずに進めてまいります。

我が国において海上の安全確保を一義的に担う海上保安庁を所管する国土交通大臣として、海上保安庁の制度や体制を十分に整備するとともに、現場の高い士気を維持していくための環境整備を進めていくことが私の重大な責務であると考えています。

こうした観点から、巡視船艇等の重点整備や要員の拡充等により海上保安庁の体制の充実強化を図るとともに、昨年末に設置された「海上警察権のあり方に関する有識者会議」における議論を踏まえ、海上保安庁による海上警察権の検討を進めてまいります。

また、国際連携の推進等によりソマリア周辺海域やマラッカ・シンガポール海峡における海賊対策等を図ってまいります。

(豊かな国民生活の実現)

人口減少、高齢化が進んでいく中、高齢者・障がい者をはじめ誰もが自立できるユニバーサル社会を実現することは、極めて重要な政策課題です。

そのため、ハード・ソフト両面における一体的・総合的なバリアフリー施策を推進するとともに、国民生活に最も密着した基盤である住宅と地域交通を確保していくことが、今まで以上に重要になっていくものと考えております。

バリアフリー施策については、新たな整備目標の設定をはじめ、関連施策の充実によりバリアフリー化の促進を図ってまいります。

住宅については、医療・介護と連携したサービス付き高齢者向け住宅(仮称)の供給を促進するとともに、民間賃貸住宅入居者の居住の安定確保や既存住宅ストックの有効活用による、高齢者、障がい者、子育て世帯等の住宅セーフティネットの強化を図ってまいります。地域交通の確保については、交通基本法の検討と関連施策の充実を図ってまいります。

また、地球温暖化対策として、自動車単体対策、交通流対策、モーダルシフトや物流の効率化、公共交通の利用促進、住宅・建築物のまるごとエコ化、低炭素都市づくり等を推進してまいります。

さらに、物流コスト・物価を引き下げ、地域経済を活性化するため、地域経済への効果や渋滞、環境、他の交通機関への影響等を社会実験で検証しつつ、高速道路の原則無料化を段階的に進めてまいります。

※公共インフラ、土地取引については割愛。

《中島みなみ》

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