宇部興産、発電所向けバイオマス混合燃料を実証実験

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宇部興産は、微粉炭火力自家発電所(山口県宇部市)で、バイオマスであるパームカーネルシェル(PKS)を石炭と混合燃焼する実証試験を12月から本格化する。

熱量ベース10%以上の混合燃焼を実証するほか、伊佐セメント工場の自家発電所(山口県美祢市)の石炭流動床炉でも石炭とPKSの混合燃焼実証を開始する。

PKSはパーム椰子の種から核油を搾油した後の殻で、従来粉砕が困難なため、微粉炭火力での混合燃焼には不向きと見られていた。同社は、バイオマスであるPKSを簡単に微粉化する技術を開発、微粉炭火力発電所で混合燃焼させることで、温暖化ガス排出量の削減に結び付ける。

実証試験では、専用ミルでPKSを単独粉砕する方式、PKSの粉砕性を向上させた上で石炭粉砕機にて石炭と混合する方式の両方式について実施、年度内にも技術的な実証を完了させる予定。

同社は、PKSなどのバイオマス燃料用のストックヤードを自社敷地内に確保しており、11月からその一部の運用を開始、インドネシアから第1船目が6500tのPKSを受け入れた。来年2月には第2船目の受入を予定している。

今後、電力会社を中心に微粉炭火力発電所でのバイオマス混合燃焼量の増加が予測されるため、同社は実証実験を機に、高混焼率が実現可能なバイオマス燃料の供給事業を展開、2013年度までにPKSを中心に年間100万t以上のバイオマス燃料供給体制の確立を目指す。

《レスポンス編集部》

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