技研製作所と新日本製鐵が共同開発した「ジャイロプレス工法」の道路擁壁への適用が増加している。
ジャイロプレス工法は、先端に地盤の掘削性を高める特殊ビットを取付けた鋼管杭に回転力と圧入力を与えることにより、鋼管杭を地中に列状に貫入し、壁構造を構築する工法だ。これまで主に、東京都の河川護岸改修工事に適用されてきた。
ジャイロプレス工法は、住宅・交通が密集し、施工エリアが限られた現場でも短工期・低コストで施工可能で、さらに環境に優しい工法で、堅固な地盤でも適用できることから、道路擁壁での適用も増えている。
2004年度の市場投入から07年度までの道路擁壁向けの実績は鋼材重量で約700tだったのに対して、08年度以降、大阪中央環状線道路改良工事の800t、加古川BP溝之口BOX改良工事1400tで採用されるなど、着実に実績を伸ばしている。10年度も大谷口上町道路拡幅整備工事などのプロジェクトに適用される。
市場投入以来、ジャイロプレス工法は工事件数で46件、鋼材重量で2万tを超えた。今後、両社は工法の利点をアピールし、河川護岸改修工事に加え、道路擁壁分野をはじめとした新規用途への適用を推進していく。