東京ビッグサイトで開催された「ものづくりNext↑2010」(17~19日)にちょっと変わった電気自動車(EV)が展示された。東京電設サービス(TDS)のブースにある「小断面水路点検車」がそれだ。
子供の乗り物のようなEVだが、「狭いところに入って行くことができ、直径1mぐらいのトンネル内でも楽に点検などの作業ができる」(同社関係者)という。
同社は東京電力のグループ会社で、電力設備のメンテナンスを手掛ける。「ずっと長い間、狭いトンネル内の保守点検を人間が中腰になって行ってきたんですが、なんとかその作業を楽に、そして効率的にできないかということで、ヤマハ発動機と共同でこのEVを開発したんです」と説明する。
スピードは点検時2km/h、移動時8km/hの2段階に切り替えることができ、1回の充電で約12kmの走行が可能。ブレーキはなく、アクセルを離すと自動的にかかるようになっている。前進および後退は操作パネルの切り替えスイッチで行える。そして、3つに分解できるので、マンホールから入れることもできる。重量は39.5kg(除バッテリー)。
現在、同社ではこのEVを8台所有しており、リースも行っているそうだ。「このことはほとんど知られていないので、認知度を上げるために展示することにしたわけです」と同社関係者は話し、ブースを訪れる来場者にこのEVの特徴を熱心に説明していた。