[ハイウェイテクノフェア10]ガードレール、衝撃低減の工夫

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クオッドガード
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道路の分岐点のガードレール先端には、万一クルマが衝突した時のため衝撃吸収用に水を満たした樹脂製のタンクが置かれている。居眠り運転などで激突した場合、ガードレールにダイレクトにぶつかるより、水タンクを吹き飛ばすことでエネルギーが発散されるため、乗員に伝わる衝撃が減らせるという理由からだ。

だが水タンクの衝撃吸収は万全ではなく、衝突でドライバーや乗員が死亡してしまう事故も少なくない。そんな話を聞いたのは、ハイウェイテクノフェア2010のNEXCOメンテナンス関西(西日本高速道路メンテナンス関西)のブースだ。

『クオッドガード』は、アメリカのハイウェイで採用されている衝突衝撃吸収装置。先端の黄色い樹脂ノーズから後ろに続く、ガードレールとの間に組み込まれている黒い箱状のカートリッジが潰れて衝撃を吸収する仕組み。ガードレール自体も衝撃吸収に合わせてスライドして伸び縮みする。カートリッジを交換することで再使用が可能だ。

カートリッジには柔らかさにレベルがあって、異なる柔らかさのカートリッジを組み合わせて、いくつも連ねることで、道路の設計速度に合わせた衝突衝撃吸収性を確保できるという。

もう一つ、ガードレールの機能を高めた商品を見つけた。『ファイガード』は、船のフェンダー(バンパー)に使われる素材EVAを使って、カーブを曲がり切れないクルマの損傷を軽減してくれる、新しいガードレールだ。

カーブの外側に設置することにより、クルマが接触すると回転して衝撃力を逃がすことによりクルマを旋回させるように導いてくれる。これは韓国生まれの商品らしいが、シンプルな考えで効果がありそうな安全装備だ。

《高根英幸》

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